”涼”を楽しむ上生菓子
小倉章弘です。
上生菓子を100倍楽しむために、
製法という視点から紹介しています。
一般の方には「上生菓子」=「煉切」という
イメージが強いようなので
他にもいろいろな製法があり、
当店では、様々な上生菓子をお作りしているので、
店頭だけでは、説明しきれない部分を
このブログでご紹介させていただいています。
今日ご紹介する製法は
「葛まんじゅう」
写真の御菓子は
緑色の薯蕷(じょうよ)餡の中にこしあんを入れて
葛種で包み絞り目を入れたものです。
菓子銘は「緑陰」(りょくいん)
夏の木陰の涼しさをイメージした御菓子です。
人間の、そして日本人の素晴らしい能力は
このようなイメージの力で
実際に”涼”な気持ち、感覚を味合うことのできる力でしょう。
葛は実際に解熱効果もあるので
日本人は経験則で知っていたのかもしれませんが、、、。
餡を包んだだけの葛まんじゅうは葉を巻いて
「葛桜」などと言って
並生菓子の部類に入るのですが
(もちろん、味は同じように最高に美味しいですよ)
このようにひと手間かけて
季節の情景を表現することで
上生菓子の仲間になるのです。
茶道などで
「かえし」(御菓子をのせる紙)を使う場合は
直接だと、くっつきやすいですから
パラフィンを敷いて召し上がって下さいね。