人の一生とお菓子

LIFE WITH WAGASHI

「見えるものだけがすべてではない」

日本人であれば、その考えは自然に受け入れられるのではないでしょうか。

神仏に手を合わせる。自然の恵みに感謝する。

このような敬虔(けいけん)な態度や生活は、私たちの心を豊かにしてくれます。

 

一年に四季折々がめぐってくるように、私達の一生にも、数々の節目があります。 喜びの時、悲しみの時、お菓子はその時々に欠かせない、人々の気持ちを伝えるものです。 ハレの祝い事には、赤飯・紅白饅頭・鳥の子餅・松竹梅、あるいは、鶴亀のデザインの菓子が用いられます。

また、仏事用には、春日饅頭(青白饅頭)・じょうよ饅頭、あるいは、蓮や椿などのデザインの菓子が用いられます。
 
祝い事、仏事、いづれにしても、小豆の色が邪気払いをするという信仰は、今も受け継がれています。

ここでは、具体的に行事とそれにまつわるお菓子を取り上げてみました。もう一度振り返って日常の生活に活用して下さい。 お菓子は、本当に人とのかかわりの深い食べ物になっていますので、大切にしていきたいと思います。

(地方により、風習の違いがあります。内容については、一般的なことを掲載しましたが、お菓子については、当店の地域での風習も加えてありますので、ご了承下さい)

Table with Custom Header Background
行事 内容 お菓子
着帯祝い 妊娠5ヶ月目の戌の日、妊婦は岩田帯を締めて安産を祝います。戌の日というのは、お産の軽い犬にあやかったものです。 鳥の子餅、赤飯 など
出産祝 出産時に弓に弦を張り、弓矢の神秘的威力により、妖魔を退散させた。 鳥の子餅、赤飯,めで鯛最中など
お宮参り 男子31日目、女子33日目に、産着初めて氏神様に参拝し、無病息災を祈願します。 紅白饅頭、鳥の子餅、赤飯など
初節句 生まれて初めて迎える女の子では「桃の節句」、男の子では「端午の節句」をいいます。 柏餅、ちまき、桜餅、菱餅、ひなあられ、草餅など
誕生日祝 生後満1年目には一升餅の就任式を赤文字を背負い将来の健康であるように願う「一升餅の儀式」。 背負い餅(一升餅)、蓬莱まんじゅうなど
七五三祝 男子は3才と5才、女子は3才と7才の年の11月15日、氏神様に詣で、今日の成長に感謝し、将来の健康と幸福を祈願する。 千歳飴、鳥の子餅、赤飯、 めで鯛最中、焼菓子詰合せなど
入学祝・卒業祝・就職祝 入学は幼稚園から大学まであります。また卒業祝いはお世話になった方へ感謝の気持ちを送ります。 紅白饅頭、鳥の子餅、赤飯、焼菓子の箱詰など
成人祝 男子はそれまで頭に何もかぶらず、この時冠をつけた。女子も初めて髪を結う年齢に。11~16才頃が多かったが、現在は20才を迎えた門出を祝います。 赤飯、紅白饅頭、めで鯛最中、焼菓子詰合せなど
結婚祝 結婚式は人生最大の慶事であり、第2の人生へ出発する大切な儀式です。 蓬莱まんじゅう、松竹梅の式菓子、紅白まんじゅうなど
結婚記念祝 結婚後の一定周期に祝うもので、10年目:「錫婚式」、15年目:「水晶婚式」、20年目:「陶器婚式」、25年目:「銀婚式」、30年目:「真珠婚式」、35年目:「珊瑚婚式」、40年目:「エメラルド婚式」、45年目:「ルビー婚式」、50年目:「金婚式」、60年目:「ダイヤモンド婚式」などがある。 引菓子、めで鯛最中、蓬莱まんじゅう、創作和菓子など
賀寿祝 長寿の祝いで次のようなものがある。「還暦祝」、60歳:60干支が一回りして元に返るということから。「古稀祝」、70歳:人生70才来稀なりから引用。「喜寿祝」、77歳:七十七の組み合わせから。「米寿祝」、88歳:米の字が八十八の組み合わせせとなることから。「白寿祝」、99歳:白の字から一を取り除くという意味から。 赤飯、引菓子、鳥の子餅の饅頭 など
上棟/新築祝 家屋の骨組みができると建前といって上棟式を行い、お供えを飾り、餅をまき、職人やご近所に赤飯やお餅をふるまう。会社関係では落成祝と称して会社名やマークの入った引菓子などが用いられる。 赤飯、投げ餅(ぐし餅)、お供え、菓子折り、鳥の子餅など
開店祝 商売のスタートを祝う。開店の意味で宝船、きんちゃく、うちでの小槌などの金運につながる図案が喜ばれる。 鳥の子餅、赤飯、紅白餅 金魚運、めで鯛最中など
快気祝 床上げ祝は、見舞いに来てくれた人などへ病気全快を報告しお返しします。 かすてら、赤飯、犬の子餅、焼菓子詰合せ など
仏事/法事 子孫は一生をとじた者を丁重に弔い、年忌日には法要を営んで冥福をお祈りするのが務めです。 「通夜」:親族、友人、知己の見舞いをうけます。お通夜には通夜饅頭を配る風習があります。 「葬式」:この日は盛り出しといって会葬者に春日饅頭、青白饅頭などが配られます。 「香典返礼」:七・七忌四十九日)の供養をすませるとお礼の香典返しをします。 「法要」:法事は初七日、二十一日、三十五日、四十九日、百か日、1周忌、3回忌、7回忌・・・と法事を務めます。宗派により異なりますが、33回忌で一応最終年忌と している。50回忌は亡き霊が天国に召されたとしてお祝いものを使用します。 白饅頭、焼饅頭、49団子、最中、 墓参り団子、枕団子、式菓子おはぎなど