素材の大切さ
小倉章弘です。
先日、製菓学校で授業を行ってきました。
実際に、その場で菓子の作り方を見せて
生徒たちにも作らせる実習の授業です。
今回の授業は「栗まんじゅう」
まるの一粒栗を白餡で包み、
さらに小麦粉、卵、砂糖などで作った生地で包み
焼き上げた御菓子。
普段、自分の店で作っている配合とまったく同じもので作りました。
作る環境としては、最高です。
性能の良いオーブンもあり、温度管理もしっかりできます。
自店の環境より、はるかに良いのです。
しかし、塩梅、見た目は一見、同じようにできるのですが
実際に食べてみると、やはり、自店で作ったものの方が
美味しい!
自店で作ったものの方が
皮には小麦粉の風味があり、
白餡はあっさりしていて、
主役の栗の主張がはっきりとしている。
なぜかというと、素材自体は、学校では支給された材料を使い、
自店では、厳選したものを使用しているからでしょう。
もちろん、学校の素材も粗悪なものではなく、
一般の菓子屋さんが使う標準的な材料です。
ただ、食べ比べてしまうと
「こんなにも違うものか」と思うほど
差が出てしまうものなのです。
改めて、素材の重要性を感じた体験です。
授業自体はとても楽しめました。
学校の指導力のお陰か、マナーや返事も良く
気持ち良く、授業が進めることができ、
なつっこくて、熱心なかわいい生徒たちでした。
未来を背負う有望な和菓子職人が育つことを願います。