餅つき・お供え(鏡餅)
自分たちで搗いた出来立てのお餅を、あべかわにしたり、
からみ餅にしたり、餡を付けて食べたりするのは
とても楽しく美味しいものです。
年の暮れに、お餅を搗き、お正月の準備をします。
お供え(鏡餅)は12月28日か30日に搗いたお餅で作ります。
これは、29日だと”苦”につながるので嫌われ、
31日に作って飾ったのだと、「誠意に欠ける」一夜飾りとして嫌われました。
鏡餅は、餅を神仏に供える正月飾り(床飾り)であり、
鏡餅という名称は、昔の鏡の形に似ていることによる。
昔の鏡は青銅製の丸形で、神事などに用いられるものであった。
これらの年中行事に和菓子が深く関わった背景には、
日本人の共食信仰というものがあります。
古くから集落で暮らしていた日本人は、その集落で皆が同じものを食べていました。
そして、神さまにもその同じものを捧げました。
皆でともに生きているということの大切さを何より大事にしていたのです。
神さまに捧げた供え物を神事のあとに神前からさげて
「直会(なおらい)」として食べたり、家で搗いたお餅を、
おすそ分けとしてご近所に分けるのは、この共食信仰の名残です。
自分のハレの日や季節の節目の行事をみんな一緒に祝う、
同じものを食べてもらうという風習が、和菓子と人の一生を
深く結ぶつける一因になったといわれています。
最近は、スーパーなどで、簡易的なお供えやお餅うっていますが
便利さ、という面では良いのかもしれませんが、
本来の意味合いからは、離れてしまう気がします。
家庭や友人、親戚で集まって、餅を搗く、
又は、「餅は餅屋」のように、プロの和菓子店で
伝統に沿って作られたお餅で、お供えや伸し餅を
注文する。
これが本当の姿だと思うのです。