裏庭
2008年9月16日 / 読書
「西の魔女が死んだ」を読んでその著者、梨木香歩さんのすっかりファンになり、
今度はこの「裏庭」を読んだ。
裏庭 (新潮文庫) (2000/12) 梨木 香歩 |
西の魔女がとてもわかりやすく読みやすかったので
それに比べると少々難しい。
でも物語のスケールの大きさ、心の複雑な描写はとても惹きつけるものがある。
著者はおそらく、カウンセラーや心理学のような知識にとても精通している人なんだと思う。
日本と西洋、生と死、男と女、昔と今、現実世界と異界…。
様々な対比が複雑に絡み合い、とても頭も使う(笑)
「癒し」についても、ちまたの薄っぺらいものでなく、本質にせまり、重みのあるものを
描いている。
少女の孤独な魂が「裏庭」という舞台で冒険の旅に出て
本当の自分に出会う、というファンタジー作品。
この本も最後のほうにぐっと来るところがある。
著者にまた「やられた」と言いたくなる(笑)
こういう作品は大好きだ。