多読術

2009年8月30日 / 読書

以前は早く知識をたくさん得たい、スキルアップがしたい、能力を磨きたいという
気持ちが強く、それが原動力だったので
本の読み方については早く知識を吸収する速読のようなものには関心がありましたが
純粋に読書を楽しむ方法には関心はなかった。
でも本を読むことが習慣になってきた今、
「どんな読書が人生を豊かにしてくれるか」
にも関心が行くようになりました。
そんなときに出会ったのがこの本。
これを読んで、また本の読み方、楽しみ方の幅がぐんと広がったように感じます。

多読術 (ちくまプリマー新書) 多読術 (ちくまプリマー新書)
(2009/04/08)
松岡 正剛

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まず、本は二度読むことを薦めています。
どんな環境で、いつ、どんな気分で、どんな感受性で読んだかということが密接にかかわっている
これを二度読むことで改めてそのときを眺める視点が必要。
この前後の「開き」が本質にかかわることが少なくないと。
多読とは単一の方法でたくさんの本を貪り読むというのでなく、大食いになるわけでもない。
たんに速読に頼るわけでもない。もっと内側の機能をいくつも動かすことです。
「読書筋肉」のいろいろなところを動かすこと。
著者は本を食べ物や着る物のように日常的なものとして
楽しめばよいと言っています。
本は食欲とおなじで気分次第で「美味しさ」も変わる。
だから「好み」や「癖」があっていいい。
着る物のように組み合わせで楽しむこともできる。
疑問があるから本を読める。そういう考え方や言葉の使い方があるということを知ることもできる。
言葉にならないときの大半は、実はわかっていない。
他方、世の中には言葉にしにくいものもある。しかしあまりに自分で表現を怠っていると、自分が使う言葉の問題と世の中で使う言葉の限界がごっちゃになって、そのうち身勝手な言語人間になってしまう。世の中でうまくいかないことの多くは、実は当人の言葉の使い方によっている。
読書とはマゾヒスティックです。
だから、「参った」とか「空振り三振」するのも、とても大事なこと。
わかったふりをして読むよりも、完封されたり脱帽したりするのが、
まわりまわって読書力をつける。
「読書の楽しみ」とは
未知のパンドラの箱を開くこと。
「無知」から「未知」へ
本を開けるときがとても大事。ちょっとした儀式でもある。
今日コンデションをはかりながらバッターボックスに入るようなもの。
まずは目次から読み、ごくごくおおざっぱでいいから、その本の内容を想像する。
「知のマップ」を作るとこれだけども読書は楽しい。
本によって感じるレセプターのようなものを分けたり、連結させたり、とばしとばしにしていたり、ときにはオフっている。その「感読レセプター」のスイッチをどういうふうに入れるかを適宜、調整する。
「読書のススメ」は理解できなくてもどんどん読む。自分の読書のペースなどわからないのだから、読みながらチェンジ・オブ・ペースを発見していく。自分にあう本を探すより、敵ながらあっぱれだと感じるために本を読む。
自分の感情や意識を無にして読むことは不可能である。
つまり読書というのは書いてあることと自分が感じることとが「まざる」ということ。
一種のコラボレーションである。
読書術、多読術の方法
自分の気になることがテキストの”どの部分”に入っているかを予想しながら読む。
読書によって読み手は新たな時空に入ったんだという実感を持つこと。
そのことを読みながらリアルタイムに感じること。だから何を感じたかもマークしておきたい。
ペンを持ちながら読書すると集中力が上がる。そして再読するときスピードも上がる。
「本をノートとみなす」
読解力はどうすればいいか。
著者のモデルを見極める。
「書くモデル」の特徴をつかめば、そのモデルによってだけでもその著者の一冊が見えてくる。
そうやってだんだんモデルがたまってくるとこれがその読み手独自の「読むモデル」になる。
「読書世界と本棚は一体だ」
実際の「読み方」
「読前術」本との接し方、目次読書
「読中術」マーキング、マッピング
速読にとらわれない。こちらが似たものだと思えれば、本はどんな本でも関連して早く読める。
「読後術」本棚の並び、感想ノート、感想ブログ
読書法「掩巻」(えんかん)…書物を少し読み進んだら、そこでいったん本を閉じて、
その内容を追想し、アタマのなかですぐにトレースしていく。
「慎独」(しんどく)…読書した内容をひとり占めしないというもの、必ず他人に提供せよという方法。
読書は「わからないから読む」書き手も実はわからないから書いている。自分ではわからないことだから、その本を、その作品を書いている。
何だって役に立つから、あえて麗々しく「役に立つ読書」を求めないほうが良い。
読書は「リスク」も伴うもの。だから面白い。
「リスク」「リスペクト(敬意)」「リコメンデージョン(おすすめ)」の3つのR
どのようにすれば自分の「好み」の本に出合えるか。
誰かのおすすめに従ってみる。ただし、できるだけ自分が尊敬しているか、気がかりな先輩などに選んでもらう。薦められた本は読みやすく、謙虚になれる。
本の話はどういう風にすればよいか。
食べ物と同じ。レシピや味付け、材料の新鮮さでも良いし、焼加減、このソースでごまかしている…。
あるいは、店のインテリア、もてなしなどでも良い。
読書は、現状の混乱している思考や表現の流れを整えてくれるもの。
そもそも思考や表現の本質は「アナロジー」であり、「連想」である。
つまりどんなことも堅く考えていない。類推(るいすい)の能力。
「あいまいな部分」や「きわどい領域」にこそ、新たな「意味の発生」がある。
つまり、「負」の部分とか「際」の状態だと思われているところに、意味が創発してくる。
辞書や辞典を身近にもっておく。
その他様々なサポートツールを紹介などなど。
具体的な著者の行っていることが豊富に書かれていました。
「すぐに役立つを求めない」、「書き手も実はわからないことを書いている」
などの視点で本を読むと今まで楽しめなかった本が楽しめるようになった。
童話の本なんか著者のわからない感情、言語にしにくいものを物語にしているものもある。
そこを共感してみたりすることもできた。
なんだか、急に読解力が上がった気がする…。
気のせいかもしれないけど(笑)

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